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第36回セミナー


長野県CT撮影技術研究会 第36回CTセミナー報告


伊那中央病院 菅沼和也


 2026年2月21日、相澤病院ヤマサホールにて、長野県CT撮影技術研究会 第36回CTセミナーが開催されました。

今回は「~手術支援に生かす技術~」をテーマに、当該分野に精通されたお二人の講師をお招きし、手術支援における技師教育、画像作成技術、さらには最新技術について学ぶ貴重な機会となりました。


 施設発表では、県内4施設より各施設における手術支援画像の取り組みについてご発表いただきました。大腸術前や脊椎術前など造影検査を含む各領域の手術支援画像の紹介に加え、非造影での肺動静脈描出、CT撮影時の体位を術中と同様に再現する工夫など、各施設の特色ある取り組みが共有されました。今後、手術支援画像に取り組むうえで大変参考となる内容でした。


 基調講演では、「手術支援の多角的アプローチ―体制・教育・実例・進化―」と題し、済生会熊本病院 中央放射線部 係長の奥村秀一郎先生にご講演いただきました。

 近年、低侵襲手術である内視鏡手術やロボット手術の増加に伴い、CTによる3D画像の需要も高まっています。2008年には画像等手術支援加算が新設されるなど、手術支援画像の提供は診療放射線技師の重要な役割として認識されてきました。

 こうした中、先生は「3D Innovation Room」を立ち上げ、3D作成技術の向上と質の高い手術支援画像の提供に取り組まれています。構成メンバーはCT担当技師に限らず、MRI、RI、血管造影など多様なモダリティの技師で編成されており驚きました。

 教育面では、症例ごとにCT撮影および3D作成マニュアルを整備し、特に3D作成マニュアルを動画化することで、研修者・指導者双方の負担軽減と効率化を実現されています。さらに、作成能力評価にはクリニカルラダーを採用し、症例ごとの詳細な評価により画像の質を担保されています。このような体系的教育プログラムがあるからこそ、3D作成能力の標準化と質の高い手術支援画像の安定的提供が可能であると感じました。 

 手術支援画像は術前シミュレーションに不可欠であり、特に狭い術野において3D画像は重要な役割を果たします。正確な手術を実現するためには、解剖や術式への理解を深め、医師との密なコミュニケーションを通じて、術者が求める画像を提供することが重要であるとのご提言がありました。各科カンファレンスへの積極的参加や手術見学を行い理解を深める事の必要性を改めて認識しました。また、VRなどの最新技術についてもご紹介いただき、今後の発展と普及に注目していきたいと感じました。


 特別講演では、「整形CTの向こうには患者の人生がある!~手術につなげる画像と“志”~」と題し、富山労災病院 中央放射線部の野水敏行先生にご講演いただきました。

 長年整形領域に携わってこられた先生より、まず整形領域における撮影の基本についてご教授いただきました。撮影体位の重要性について、基本はセンターポジションであること、固定を外せない場合や挙上困難な場合にはスキャン面を必ずしも平行にしないといった具体的テクニックをご教示いただきました。

 また、先生が監修されている「メディカルオンライン」の整形外科ポジショニングも紹介され、大変参考になりました。さらに、患者にとって同一姿勢を保持することは想像以上に苦痛であることから、「撮影の間の20秒だけ動かないでください」という声かけの工夫が印象的でした。

 画像作成においては関節面の評価が極めて重要であり、骨折が関節面に及んでいるか否かで予後が大きく左右されることをご説明いただきました。関数設定やピクセルサイズによって骨折線の描出が大きく変化する点や、微細骨折の描出にはHRCTが有用であり、拡大再構成によるピクセルサイズ縮小が分解能向上に寄与することを具体例とともに示していただきました。

 外傷患者が「胸の真ん中が痛い」と訴えた場合にはHRCTを作成することで胸骨骨折が描出される可能性があるとのお話から、患者の訴えを丁寧に聴取し、疼痛部位を的確に評価する重要性を再認識しました。セミナー終了後には、野水先生による実機を用いた骨3D作成の実演が行われました。世話人施設より持ち込まれたデータを用い、膝関節骨折の術前・術後症例および手の腱描出について解説いただきました。

 術前症例では関節面骨折の評価のための骨透過表示、術後症例ではインプラントと骨の分離方法をご紹介いただきました。腱の描出では、撮影条件に依存するものの、WLやオパシティカーブの調整による描出方法を実演していただきました。これらの手法はマクロ化することでワンクリック操作が可能となるとのことで、自施設でも導入を検討したいと感じました。



 本セミナーでは活発な質疑応答も行われ、非常に有意義な情報交換の場となりました。参加者一人ひとりが本セミナーで得た知見を持ち帰り、日常業務に還元されることを願っております。今後も医師とのコミュニケーションを密にし、術者が求める手術支援画像を提供できるよう、さらなる研鑽を積んでいきたいと思います。


なお、第37回CTセミナーは2026年8月22日(土)、JA長野県ビルにて開催予定です。






共催メーカー

長野県CT技術研究会

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共催団体

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